トップページ | 2004年1月 »

2003.12.29

■更新履歴

*京都市『人権研修資料集改訂版』(2004年3月刊)掲載予定稿「子どもの権利に関わる国内外の主な動向」を掲載。基本的には出版後一定期間が過ぎた原稿しかウェブには載せませんが、本書は京都市職員を対象とした非営利出版物ですし、広く読んでもらったほうが原稿の趣旨にもかないますので、京都市から了解をいただいて載せることにしました。第2章「子ども」として掲載される予定ですが、これだけではわかりにくいので、ウェブではこのような標題にしています。前回の資料集(1998年度)以降の国内外の動向が比較的よくまとまっていると思いますので、ご参照ください。

*上の原稿で「青少年育成施策大綱(骨子)(案)」について少し触れているので、平野が7月に出したパブリックコメントも掲載。ついでに、こういう問題について考えるときによくよく参考にすべき「少年非行の防止に関する国連指針」(リャド・ガイドライン)の日本語訳も掲載しました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■青少年施策の動向を憂う

それにしても、少年非行・少年犯罪に対するこのところの近視眼的な対応にはうんざりさせられます。上記パブリックコメントでは、子ども・青少年の育成にはエンパワーメントこそが重要だと強調しましたが、そういう視点はまったくなく、ひたすら管理統制の強化のオンパレード。

12月に正式決定された青少年育成施策大綱(PDFファイル)でもそういうニュアンスが強くなりましたし、やはり12月に犯罪対策閣僚会議がまとめた「犯罪に強い社会の実現のための行動計画:『世界一安全な国、日本』の復活を目指して」でも同様です(とくに第2部参照)。こんな調子で、自民党の目論見どおり「青少年健全育成基本法案/有害社会環境適正化自主規制法案」が制定されてしまったらたまりません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■都条例改定の動きも憂う

このような管理統制強化の流れを先取りする先兵が東京都です。「心の東京革命」にしても、10月にまとめられた「緊急提言~子どもを犯罪に巻き込まないための方策」にしても、わかりやすすぎて涙が出てきそう。子どもたちの声も聴かず、深夜外出の規制や深夜立入り制限施設の拡大など、子どもの居場所をさらに奪おうという青少年健全育成条例条例改定も進行中です(12月24日に出た答申原案が北の系2003に掲載されています)。

「緊急提言」については「最近読んだ本」のページで次のようにコメントしておきましたが、都の動きをきちんと批判することが「青少年健全育成基本法」の阻止にもつながるでしょうから、条例改定についてもそのうちコメントを出したいと思います。とりあえず、平野も呼びかけ人になっている条例改定反対署名にご協力を。マンガ規制反対が主眼ですが、青少年の意見聴取のための制度創設(陳情趣旨4)、子どもの権利条約を充分に踏まえた議論(同5)なども要求しています。なお、「緊急提言」についてはてっちゃん@ココログでもコメントされているのでご参照を。

(以下「緊急提言」についての平野のコメント)
 ついでながら、犯罪統制にばかり焦点を当てると何が飛び出すかよくわかるのが、東京都・子どもを犯罪に巻き込まないための方策を提言する会(座長/前田雅英・東京都立大学教授)がまとめた「緊急提言~子どもを犯罪に巻き込まないための方策」(2003年10月)。ガーディアン・エンジェルズ代表の小田啓二氏も委員として参加しています。
 「居場所」作りも施策のひとつに掲げていながら、深夜のコンビニ前に子どもたちがたむろすることの防止、より多くの防犯カメラの設置、警察と学校の連携の強化、虞犯少年の送致の拡大、「有害情報や有害環境」からの隔離など、子どもたちなりに見つけ出してきたストリートの居場所を一方的に奪おうとする提言のオンパレード。「子どもと一緒にトイレ掃除を行うことで荒れた学校や問題を抱える子どもを立ち直らせるような活動を……行っているボランティア団体」が「居場所」として位置づけられている(p.10)のは初めて見ましたよ。また、虐待を受けている子どもには避難場所のひとつも作ってあげようと思うようですが(p.15)、盛り場にドロップインセンターを設けて子どもがいざというときに駆け込めるようにしようなどという発想は皆無(pp.32-35)。「親父の会」のことを、実践している人たちにとってはかえって迷惑なんじゃないかと思うぐらい持ち上げているわりに(pp.11-12)、子育ての負担やストレスを一身に背負っている母親を支援するための具体的施策は挙げられていません。
 提言の効果をきちんと予測もせず、とにかく目についた問題を何でも規制するという方針で拙速に都青少年健全育成条例を改正しようとしているようですが、子どもの声に耳を傾けようともしないで「最近の子どもは全般的に対人関係が未発達であり、共感性やコミュニケーション能力が欠けていると言われる」(p.8)とはよく言ったものです。そのうちまとまった批判を書こうと思いますが、とりあえず、「思いつきだけで行動するのは……愚か者のすることだ……それを……得意げに話すのは、もっと愚か者のすることだ……」というゴルゴ13の言葉(第104話「スキャンダルの未払い金」リイド社SPコミックス29巻所収)を贈っておきましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2003.12.27

■更新履歴をblog化

このところ巷で流行っているblogというのを始めてみることにしました。

あくまで「ARC 平野裕二の子どもの権利・国際情報サイト」がメインなのですが、メインサイトにすぐには載せられない情報をちょっと書き留めておきたいときなどに便利そうなので、とりあえず試行的に導入です。主にメインサイトの更新履歴代わりに活用しようと思っていますが、おもしろくなればもっといろいろ書きこんでいくかもしれません。

これにともない、これまで更新履歴のページに設置していた「更新通知メール」機能は解除しましたのでご容赦ください。「最近読んだ本」のページではまだ利用できます。なお、2003年の更新履歴をご覧になりたいかたはこちらをどうぞ。

まだ使い方がよくわからないのですが、ぼちぼちいろいろな機能を試していこうと思っています。コメント機能はとりあえずオンにしてありますが、根がずぼらなたちなので、打てば響くようなレスポンスはあまり期待しないでください。あと、コメントがなくてもとくにさびしくはありませんので、お忙しいのに無理してコメントしていただかなくても大丈夫です。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

トップページ | 2004年1月 »