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2004.03.31

■児童買春・児童ポルノ法意見書

もう先週の話になりますが、民主党から児童買春・児童ポルノ法改正に関するヒアリングに呼ばれて話をしてきました(3月22日)。ユニセフ公開セミナーで問題提起したのを受けとめてくれたのかもしれません。ヒアリングのさい用いた報告レジュメをメインサイトに掲載。

報告レジュメは、基本的には、いままでの意見書や更新日記で言ってきたことを整理して新しい材料を若干付け加えただけです。サイバー犯罪条約については、まずは人権保障の体制を整えることが先決だという主張を新たに加えました。とはいえ、すでに昨日(30日)、衆議院では批准が承認されてしまいましたが(衆議院ウェブサイト議案経過情報)。

ヒアリングでは日弁連の坪井節子弁護士もいっしょで、日弁連の意見書にもとづいてお話をされました。日弁連と平野の考え方は基本的に同じで、児童ポルノの特定少数者への提供(メール送信など)を犯罪化することに反対するか(日弁連)、適用除外規定が設けられることを条件として賛成するか(平野)が少し違います。また日弁連は、児童ポルノの単純所持の処罰化には反対ですが、罰則なしで禁止することについては組織的見解を明らかにしていません。平野は、「児童買春・児童ポルノ法改正に関する意見書」(2003年7月)でも述べたとおり、子どもの権利と市民的自由とのバランスをとる必要性について議員やNGOがあまりにも鈍感な現状では、罰則なしの禁止といえども時期尚早という立場です。

とはいえ問題は児童ポルノの単純所持を禁止するかどうかだけではありません。そこだけに議論が集中しているかのような印象があちこちでかもし出されていますが、平野はむしろ特定少数者への提供や単純製造を犯罪化するさいの適用除外規定を重視しています。適切な適用除外規定が設けられなければ、成人の市民はもとより思春期の子どものプライバシーまで不当に制約されることになり、けっきょく何のための法律なのかという話になってしまうからです。そしてさらに重大なのは、子どもたちに対して「けっきょく子どもの性を規制しようとしている」というメッセージを発してしまいかねないからです。

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2004.03.30

■条約10周年記念シンポ

29日(月)に開かれた「児童の権利条約」批准10周年記念シンポジウム(主催/外務省・ユニセフ)に参加してきました。

追記(5月7日):外務省による同シンポの「概要と評価」も発表されましたので、そちらも参照。

平野が参加したセッション1「児童の権利条約の意義及び目的」は、ただでさえ50分と時間が短いなかにマルタ・サントス-パイスさん(ユニセフ・イノチェンティ研究センター所長)による基調講演まで入っており、けっきょく押せ押せになってしまって、丸谷佳織・衆議院議員ともども10分ずつしか話せずじまい。コーディネーターの有馬真喜子さん(ジャーナリスト)も含めて全員が国連子ども特別総会に参加したメンバーだったのですが、そのフォローアップなどの話も充分にできませんでした。しかしまあ、短く話すことも重要なスキルだと平野は考えていますし、セッション2以降でなるべく個別の論点について議論を深めることができたほうが望ましいし、言い足りなかったことはウェブサイトで書けばよいし、とにかく草彅剛さん(SMAP)の特別講演にプログラムをずれこませるわけにはいかないし(笑)で、よしとしておきましょう。もっと平野の話を聴きたかったというありがたい声もちらほらとありますが、そのうちメインサイトに話の概要を載せます。

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2004.03.29

■サイト内検索の方法

いろいろ書くことが多くて後回しになってしまいましたが、タイトルの下にサイト内検索窓を設置しました。とっくにお気づきのことと思いますが。このウェブログもだいぶ記事件数が増えてきましたので、利用者の便宜を図って設置したものです。ただし、最近の記事は検索結果に反映されない場合があります。メインサイトのサイト内検索はトップページ右上の検索窓をご利用ください。

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2004.03.28

■CRC勧告・子ども向け版

月刊子ども論』2004年5月号の巻頭特集で、国連・子どもの権利委員会の総括所見を特集しています。上のリンク先(E-shop)の更新はちょっと遅れているようですが、3月26日(金)発売です。特集の趣旨は、子どもと若者に総括所見をチェックしてもらっていろいろ意見を言ってもらおうというもの。タイトルと構成は次のとおりです。

[巻頭特集]子どもが指摘する日本の大問題:国連・子どもの権利委員会の厳しい「日本の審査」総チェック
-座談会(「VOICE」子ども記者)「日本の子ども環境のいま:子どもたちが、国連・子どもの権利委員会の勧告を読んでチェックしました!」
-白 充(朝鮮大学校1年生)「在日コリアンの子どもが『総括所見』をチェック:子どもも、大人もこちらを向いて。」
-殿岡翼(全国障害学生支援センター代表)「障害をもつ子ども・若者が『総括所見』をチェック:障害をもつ子どもに高等教育を受ける権利を」
-平野裕二「国連・子どもの権利委員会が日本に勧告したこと:前回より多い27項目の改善点」

巻頭座談会にはなんと9歳の子も参加してしっかり意見を言ってくれました。平野の原稿には、総括所見のチャイルド・フレンドリー版も収録。委員会の勧告の趣旨は漏れなく伝えつつ、なるべく中学生以上の子どもにもわかってもらえるようにと工夫してみました。今号が完売すればメインサイトにもチャイルド・フレンドリー版を載せるつもりですので、なるべく早く売り切れるようご協力ください(笑)。大きな書店なら売っている場合がありますし、29日(月)の条約批准10周年記念シンポに参加されるかたは、会場のすぐ近くにあるクレヨンハウスでも購入することができます(地図)。

ついでに、平野が書いたその他の報告原稿についても紹介しておきましょう(これまでの総論的原稿については更新日記「CRC第2回審査関連原稿」参照)。

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2004.03.27

■CRINMAIL559号

3月23日付CRINMAIL559号より。過去の記事(Archives)および購読登録はこちらから。

汎アフリカ:汎アフリカAIDS若者フォーラム――教育の問題〔プレスリリース〕 ソース:ユニセフ/WCAR(反人種主義世界会議) 詳細はこちら(PDFファイル)。
フランス:学校向け中央フィルタリング・ソフトでウェブ上のヘイトスピーチを規制 ソース:YPMN Youthful Media 詳細はこちら
スリランカ:タミール・イーラム解放の虎が子ども兵士を解放〔ニュース〕 ソース:BBC 記事全文
ジンバブエ:クリニックで栄養不良の子どもが増加〔プレスリリース〕 ソース:IRIN 記事全文
中央・南アジア:男性・男子とのパートナーシップの強化によるジェンダーの平等の促進および男女の子どもに対する暴力との闘い〔ワークショップ〕 ソース:セーブ・ザ・チルドレン国際連盟(スウェーデン-デンマーク)
フィリピン:「子どもたちの声」――若者ラジオ局を通じて周縁化された子どもたちが発信 ソース:The Drum Beat 詳細はこちら
EveryChild:ソーシャルケア・アドバイザー〔求人〕

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2004.03.26

■CRINMAIL558号

3月18日付CRINMAIL558号より。過去の記事(Archives)および購読登録はこちらから。

国連人権委員会:ジュネーブで第60会期開会〔ニュース〕 ソース:国連人権高等弁務官事務所 プレスリリース全文
子どもの権利:国連人権委員会第60会期における子どもの権利〔ニュース〕 「子どもの権利条約のためのNGOグループ」の国連人権委員会サブグループは、「子どもの人権コーカス」を結成して国連人権委員会でのロビイングを行なう。関連の資料はこちらから。アップデートをメールで受け取りたいかたはこちらから登録を。アップデートの過去の記事はここにあるとのこと。
*国別行動計画:セーブ・ザ・チルドレンのNPAブリーフィング〔ニュースレター〕 国連子ども特別総会のフォローアップのため、とくに子ども・若者参加に焦点を当てて情報を発信しているニュースレター、NPA Briefing(PDFファイル)。
子どもの保護:ユニセフ・ネパールの空席告知〔求人〕

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2004.03.25

■いかりや長介氏の訃報

いまさらながらですが、いかりや長介氏が亡くなりましたね。土曜日(20日)の夜、久方ぶりに「恋のからさわぎ」を見ていたところ、ニュース速報で氏の訃報が流れてびっくり。氏が亡くなったことよりも、それがニュース速報で流れたことに驚いたのですが。

携帯電話「三ない運動」との関係でPTAのことを取り上げましたが、いかりや長介氏率いるザ・ドリフターズが出演する「8時だよ! 全員集合」は、PTAが選ぶワースト番組1位に輝き続けました。最近では警視庁湾岸警察署の和久平八郎指導員(踊る大捜査線)として有名だったようですが、平野にとってはやはりザ・ドリフターズのリーダーとしてのいかりや長介氏です。

「8時だよ! 全員集合」の肝は、なんといってもいかりやさんの決め台詞であり、自伝のタイトルにもなっている「だめだこりゃ」でした(『だめだこりゃ―いかりや長介自伝』新潮社・2001年、『だめだこりゃ』新潮文庫・2003年)。目の前の現状に呆れ果てた(絶望した)とき、舞台をリセットして次のステージに進むためのマジックワード「だめだこりゃ」。平野が児童買春・児童ポルノ法をめぐる「要望書」に絶望し((平野裕二「児童買春・児童ポルノ法の改正に向けた『要望書』への疑問と提案」2003年2月)、メインサイトを立ち上げたときのように、市民運動の世界でも「だめだこりゃ」はしばしば有効なキーワードになりえます。いや真面目な話。いかりや長介氏は亡くなっても、このマジックワードはそこはかとなく平野のなかで生き続けるでしょう。氏のご冥福をお祈りします。

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2004.03.24

■携帯電話「三ない運動」

3月19日付毎日メールに、「『子供に携帯必要ない』 鹿児島県PTA連が緊急アピール 」という記事が載っていました。「携帯電話を使った出会い系サイトの性被害や、高額の通話料請求などが多発して」おり、「危険はそこまで迫っている」(武田敏郎会長)として、携帯電話を「所持させない、買い与えない、使わせない」ことを強調していくのだそうです。

いつかどこかで聞いた話。そうです、バイクの「三ない運動」と発想がまったく同じですね。1982年の全国高校PTA連合会(全国高P連)仙台大会で「『免許を取らない』『乗らない』『買わない』の趣旨の徹底」が決議されて以降、全国規模で展開された運動です。

「親は子供の要求に負けない」「乗せてもらわない」を加えた「四プラス一ない運動」などさまざまなバリエーションが生まれましたが、いずれにせよこれによって高校生のバイク事故が減ることはなく、そもそもの目的である「青少年の生命の安全」にはかえって逆効果でした。いまでは交通安全指導の充実こそが必要だという認識がほぼ共有されています。このあたりの事情について詳しくは、阿部俊明・遠藤満雄(著)『三ない運動は教育か:高校生とバイク問題の現在』(ぺりかん社・1994年)、坂本秀夫(著)『バイク退学事件の研究:〔事例分析〕生徒懲戒の乱用を問う』(三一書房・1987年)など参照。

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2004.03.23

■CRINMAIL557号

3月16日付CRINMAIL557号より。過去の記事(Archives)および購読登録はこちらから。なお、CRINMAILのカテゴリーを独立させるとともに、メインサイトのトップページから直接バックナンバーを参照できるようにしました。

欧州連合:子どもにとっていっそう安全なインターネットをEUが計画〔ニュース〕 ソース:BBC 記事全文
英国:庇護に関する異議申立ての制限は子どもを危機にさらすと民間団体が警告 ソース:Save the Children 詳細はこちら
ボスニアヘルツェゴビナ:ロマの子どもたちを学校へ〔プレスリリース〕 ソース:Young People's Media Network
ジャマイカ:平和構築――ギャングとサッカー〔ニュース〕ソース:Children and Youth in Organised Armed Violence
セネガル:中部・西部アフリカで初の出生登録会議〔プレスリリース〕 ソース:Action for Children and Youth 詳細はこちら
武力紛争:「子どもたちのために平和を願う――現実か希望か」〔セミナー〕 詳細はこちら(PDFファイル)。

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2004.03.22

■CRINMAIL556号

3月11日付CRINMAIL556号より。過去の記事(Archives)および購読登録はこちらから。

ハイチ:危機に陥る子どもたち〔プレスリリース〕 ソース:ユニセフ リリース全文
アフリカ:青年英連邦首脳会議〔ニュース〕 ソース:allAfrica.com 詳細はこちら
南アフリカ:HIV予防プログラムは強姦被害者の助けになっていない〔プレスリリース〕 ソース:ヒューマン・ライツ・ウォッチ リリース全文
パキスタン:子どもを守るべき警察官が加害者に〔ニュース〕 ソース:One World 記事全文
子どもの人身取引:性的目的の子どもの人身取引に関する東南アジア会議〔イベント〕 日本財団がメダン市(インドネシア)およびPKPA (Center for Study and Child Protection) と協力して開催する会議。詳細はこちら
子どもの権利論文集(1巻・2巻)〔報告書〕 詳細はこちら

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2004.03.21

■自己決定権論=バックラッシュ?

ユニセフ公開セミナーで、ECPAT/ストップ子ども買春の会の宮本潤子氏は大要以下のような発言を行ないました。表現は少々異なっていたかもしれませんが。

(1)年齢には関係なく、搾取と虐待は根絶されなければならない。より弱い立場にある子どもの保護が緊急だということでとりくんできた。
(2)しかし、被害者が被害者と見られていないという問題がある。「自己決定」というトリッキーな概念が、子どもの場合ですら保護を妨げてきた。「虐待」の場合にはだれも自己決定は問題にしないのに、「商業的」という言葉がつくととたんに自己決定ということになってしまう。被害者がボロボロにならなければ、虐待や搾取ということにはならないのか。
(3)トラフィッキング(人身取引)の問題についても同様だ。トラフィッキングとスマグリング(移民を密入国させること)が区別されているのはおかしい。
(4)こういう自己決定論が、最近バックラッシュのように、加害者や搾取する側を利するような形で出てきている。どちら側の価値観に立つのかが重要だ。

追記(3月22日):宮本氏の発言は、(財)日本ユニセフ協会のウェブサイトに掲載された報告(児童買春等禁止法および児童福祉法の改正案に関するユニセフ公開セミナー)では少々ニュアンスや表現が異なる記録になっています。「トリッキー」とか「バックラッシュ」といった表現は記録されていませんし、トラフィッキングとスマグリングについて言及した部分も表現が変わっています。あるいはユニセフ協会の記録のほうが宮本氏の真意なのかもしれませんので、そちらもご参照ください。)

論理的に破綻しているという以上に、一見被害者の側に立っているように思えるものの、その実、被害者の保護をかえって妨げる議論です。

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2004.03.20

■ユニセフ公開セミナー報告2

3月17日(水)のユニセフ公開セミナーの後半は、子どもの人身売買についての議論にかなりの時間が割かれました。

まず、厚生労働省児童家庭福祉局の担当者が、児童福祉法改正案(PDFファイル、新旧対照表)について説明。子どもの売買等に関する子どもの権利条約の選択議定書では、第3条第1項(a)で、(i)子どもの性的搾取、営利目的の子どもの臓器移植または強制労働を目的とした子どもの売買、(ii)「養子縁組に関する適用可能な国際法文書に違反し、仲介者として不適切な形で子どもの養子縁組への同意を引き出すこと」が、国内外を問わず禁止されています。この規定を担保するため、児童福祉法のいくつかの規定を改正することにしたものです。

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2004.03.19

■ユニセフ公開セミナー報告1

追記(3月22日):(財)日本ユニセフ協会のウェブサイトにもう「児童買春等禁止法および児童福祉法の改正案に関するユニセフ公開セミナー」の記録が掲載されました。テープをもとにして作成したのでしょう、かなり詳しく正確な内容で、それがこれだけ早く公にされたのはたいへんすばらしいですね。会場発言の部分は若干ニュアンスが伝わりきれていない点も散見されるように思いますが。

(以下平野の記録)
3月17日(水)のユニセフ公開セミナーに行ってきました。第2回セミナーのときのように詳細な報告をするほどの内容でもなかったので、ここで簡単に報告しておきます。まずは児童買春・児童ポルノ法関連の話から。

法案の内容にはとくに変更ありません。今回のセミナーでも、第2回セミナー報告に載せた改正案骨子と同じ資料が配られました。なお、今国会に提出された改正案や提出議員・賛成議員の氏名等は「児ポ法関連情報」というサイトに載っています。提出理由については次のように説明されています。

「児童買春及び児童ポルノに係る行為の実情、児童の権利の擁護に関する国際的動向等にかんがみ、これらの行為が強い非難に値することをより明らかにし、児童の権利の擁護を十全なものとするため、これらの行為について、厳格な処罰を行うことができるように法定刑を引き上げるとともに、その処罰の範囲を広げる等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である」

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2004.03.18

■CRC総括所見:日本語訳微修正

数日前に確認しましたが、国連・子どもの権利委員会の総括所見が国連の正式文書(英文)になっていました。基本的には技術的修正で、勧告内容に大きな影響を及ぼす変更点はありません。

この機会にあらためて日本語訳を再検討し、微調整を施しました。これも基本的に技術的修正です。どこが修正されたのかどうしても細かく知りたいというかたは、日本語訳の変更履歴を保存したワードファイルがありますので平野までメールをください。

ただし総括所見のパラ50(c)だけは、「東京都に対し、定時制高校の閉鎖を再検討し、かつ代替的形態の教育を拡大するよう奨励すること」だったのを「東京都に対して夜間定時制高校の閉鎖を再検討するよう奨励し、かつ代替的形態の教育を拡大すること」と改めてあります。これは正式文書化とは関係ない修正で、原文(encourage Tokyo authorities to reconsider the closing of night schools, and expand alternative forms of education)をあらためて検討した結果、andの前にコンマがついていることもあり、代替的形態の教育の拡大は中央政府に(も)向けられた勧告と解するべきだろうと考えたものです。

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2004.03.17

■サイバー犯罪条約も批准へ?

そういえば、児童買春・児童ポルノ法の改正と関わってサイバー犯罪条約の批准承認案件もすでに国会に提出されているのでした(衆議院ウェブサイト議案経過情報参照)。いろいろと批判の強い条約であり、締約国もいまのところわずか4か国と少なく、はたして批准が緊急に必要なのかも含めてあらためて検討しなければならないことは、「児童買春・児童ポルノ法改正に関する意見書」で指摘したとおり。

サイバー犯罪条約の外務省仮訳(PDFファイル)はすでに毎日インタラクティブ・Digitalトゥデイやサイバー刑事法研究会報告書『欧州評議会サイバー犯罪条約と我が国の対応について』経済産業省(2002年4月)などを通じて流通していますが、若干修正されているようですので、児童ポルノ関連の規定(第9条)のみあらためて抜粋しておきましょう。

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2004.03.16

■マイノリティの権利と国連

*反差別国際運動日本委員会(編)『マイノリティの権利とは:日本における多文化共生社会の実現にむけて』解放出版社(発売)・2004年

原稿料代わりにもらった本でまだちゃんと読んでいないのですが、パラパラ見ていると、岡本雅享さん(在日韓国人問題研究所)の次のような発言が目に飛びこんできました。

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■CRC批准10周年記念シンポジウム

3月29日(月)、外務省とユニセフ(国連児童基金)の共催で「児童の権利に関する条約批准10周年記念シンポジウム」が開かれます。なぜ3月29日なのかというと、条約の批准について国会の承認を得たのが10年前のこの日だからとのこと。国連・子どもの権利委員会の総括所見(最終見解)へのとりくみについても議論するようです。

せっかくの機会ですので広く知らせたほうがよいと思い、案内をHTML化してウェブに掲載しておきました。こちらを参照。申込みは22日(月)までですので、お早めにユニセフ駐日事務所まで。申込み用紙は案内の下のほうについています。

追記(3月24日):外務省のウェブサイトに案内が載りましたので、
平野がHTML化したページへのリンクは解除しました。申込みは26日(金)まで延長されたようです。

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2004.03.15

■人権年鑑2003

*部落解放・人権研究所(編)『人権年鑑2003(2002.4-2003.3)』解放出版社・2004年

平野が2002年版から執筆している年鑑です。日本の人権状況を網羅的にとらえるうえでとても有益。2002年度の状況を概観した本が2004年3月に出るというのはいささかタイムリーさを欠きますが、平野も締切をちゃんと守らなかったのであまり大きな声では言えません。ちなみに平野は子どもの権利について執筆し、「国連子ども特別総会」「息(生き)苦しさが増す学校」「『新しい日本人』の育成を目指す教育」「自治体で進む子どもの権利保障」の4本柱で2002年度を振り返りました。

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■児童虐待防止法改正へ

児童買春・児童ポルノ法改正案は、「ユニセフ公開セミナー」にも追記しておいたとおり、3月12日付で衆議院に再提出されました。提出議員は八代英太議員ほか2名ということで、自公共同提案のようです(衆議院ウェブサイト審議経過情報参照)。付託委員会はいまのところ出ていませんが、青少年問題特別委員会ではなく法務委員会でちゃんと審議してもらいたいものです。

で、その確認をしたときに気づいたのですが、児童虐待防止法改正案も3月12日付で衆議院に提出され、即日可決のうえ参議院に送られています(衆議院ウェブサイト審議経過情報参照)。いろいろ前向きな改正が導入されていますが、とりあえず目をひくのは「虐待」の定義が拡大されたことでしょうか。次の3つが新たに虐待に含まれることになりました。

(1)「保護者以外の同居人による身体的虐待、性的虐待または精神的虐待」を保護者が放置すること
(2)児童に対する著しい暴言または著しく拒絶的な対応
(3)児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者=婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む=の身体に対する不法な攻撃であって生命または身体に危害を及ぼすもの、およびこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動)

とくに(3)ですが、ドメスティック・バイオレンスはたとえ子どもに直接向けられた暴力ではなくとも子どもに有害な影響を与え、したがって子どもに対する間接的暴力に等しいことはかねてから指摘されていたので、画期的だと思います。児童虐待防止法改正について詳しくは児童虐待防止法の改正を考えるネットワークなど参照。

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2004.03.14

■性犯罪への罰則強化

児童買春・児童ポルノ法の改正とも関係しますが、法制審議会に、性犯罪を含む重大犯罪への対応のあり方の見直しが諮問されています(諮問第69号、2004年2月10日)。

「近年における凶悪・重大犯罪の実情等にかんがみ、この種の犯罪に対処するため、早急に、刑事の実体法及び手続法を整備する必要があると思われるので、別紙要綱(骨子)について御意見を承りたい」ということなのですが、要は法定刑の引上げですね。性犯罪(刑法第22章)に関わる部分(要綱第2)を見ると、強制わいせつ(刑法第176条)、強姦(同177条)、準強制わいせつ・準強姦(同178条)および強姦致死傷(同181条)の各罪について法定刑の引上げが提案されています。「集団強姦罪・同致死傷罪」が新設され、被害者の告訴がなくても処罰できるようになるという報道もあったようですが、もともと第176条から第179条(未遂罪)の犯罪が集団で行なわれたときは親告罪規定は適用されないので(第180条2項)、これも法定刑の引上げの範囲内です。

そもそも強姦罪の法定刑の下限(2年以上の有期懲役)が強盗罪のそれ(5年以上の有期懲役)より軽いというのもおかしな話だったので、一連の法定刑引上げにはとくに反対しません。とはいえ、諮問どおりに刑法が改正されたとしても依然として不均衡は残ります。ちょっと比べてみましょう。罪名が太字になっているのは今回の要綱で提案されている性犯罪関係の法定刑、強盗関連は現行刑法(第36章)の法定刑です。

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2004.03.13

■ユニセフ公開セミナー

もう期日が迫っていますが、3月17日(水)午後、「児童買春等禁止法および児童福祉法の改正に関するユニセフ公開セミナー」が開催されます。「子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーに関する子どもの権利条約の選択議定書」の批准が国連・子どもの権利委員会からあらためて勧告された(パラ56)ことを受けて開かれるもの。児童買春・児童ポルノ法の改正案について野田聖子・衆議院議員が説明してくださるほか、児童福祉法改正案のうち人身売買関連の部分についても説明が行なわれるそうです。参加ご希望のかたはセミナーのお知らせに申込み方法が書いてありますので、16日(火)までに(財)日本ユニセフ協会までお申込みを。

児童買春・児童ポルノ法改正案はまだ国会に再提出されていないようで、何らかの修正が行なわれるのかどうかはわかりません。第156回国会に提出された法案についてはこちらからリンクを張ってあります。追記(3月15日):3月12日付で提出されました。衆議院ウェブサイト審議経過情報参照。法案はまだ出てませんが、そのうちここに掲載されるでしょう。

児童福祉法改正案はすでに2月10日に衆議院に提出されており(衆議院ウェブサイト審議経過情報参照)、「厚生労働省が今国会に提出した法律案について」に法律案の概要法律案要綱法律案案文・理由法律案新旧対象条文・参照条文がそれぞれ載っています(いずれもPDFファイル)。要は、「児童の心身に有害な影響を与える目的をもって、これを自己の支配下に置く行為等について、国外犯処罰規定を整備すること」が眼目のようです(法律案要綱第7)。

人身売買への対応が児童福祉法改正で足りるのかどうかは疑問であり、人身売買に関わるその他の国際文書も踏まえてたくさんやらなければならないことはあるような気がしますが、まあそれはとりあえずおいておきましょう。問題は児童買春・児童ポルノ法改正です。これまでの改正案については平野もいろいろと意見を言ってきました。とくに、メインサイトに収めた以下の文書を参照。

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■CRC選択議定書批准へ

ユニセフ公開セミナーでも話題になりますが、子どもの権利条約の2つの選択議定書の批准承認案件が3月9日付で衆議院に提出されています。それにともなって選択議定書の政府訳も明らかにされました。政府訳と議案審議経過はそれぞれ下記を参照。

児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書(衆議院ウェブサイト議案審議経過情報) 参考:平野訳
武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書(衆議院ウェブサイト議案審議経過情報) 参考:平野訳

平野も政府訳を参照しながらあらためて日本語訳を検討してみます。

追記(3月17日):批准承認案件の説明書にはそれぞれ「条約(議定書)の実施のための国内措置」についての説明が置かれますが、2つの選択議定書についてはそれぞれ次のように述べられています。留保や解釈宣言はなしです。

*児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する選択議定書
「三  議定書の実施のための国内措置
1  この議定書の実施のため、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案が今次国会に提出される。
2  この議定書の実施のためには、新たな予算措置を必要としない。」

*武力紛争における児童の関与に関する選択議定書
「三  議定書の実施のための国内措置
   この議定書の実施のためには、新たな立法措置及び予算措置を必要としない。」

追記(3月20日):なお、性的搾取等に関する選択議定書の国会審議などについては「はてなダイアリー:kitanoのアレ」でかなり細かくフォローされています。

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2004.03.12

■CRINMAIL555号

3月9日付CRINMAIL555号より。過去の記事(Archives)および購読登録はこちらから。

スーダン:子どもたちが平和マーチ〔ニュース〕 ソース:BBC Online
オーストラリア:入管施設に収容された子どもたち〔ニュース〕 入管施設への子どもの全件収容に反対する団体「ChilOut」が、難民や元被収容者の子ども8人を「ティーンエイジ大使」として、入管担当大臣、子ども・若者担当大臣、議員などとの会見を組織。大使たちは、収容されている子ども全員の放免を議会で訴えるとともに、子どもの収容の恒久的停止を訴える子どもたち5000人の署名を提出する予定。……日本の状況については入管問題調査会の「子どもの入管への収容の背景と現状」を参照。
インド:新子ども憲章〔ニュース〕 子どもの権利条約のエッセンスを盛りこみ、政府に実施責任を課した新しい「2003年国家子ども憲章」(ワードファイル、National Charter for Children)をインド政府が採択。
パレスチナ被占領地域:イスラエルによるパレスチナの子どもの拘禁〔書籍〕 DCIパレスチナ支部がStolen Youth: The Politics of Israel's Detention of Palestinian Childrenを発行。
英国:子どもコミッショナーにもっと強力な権限を〔ニュース〕 ソース:セーブ・ザ・チルドレン英国

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2004.03.11

■通訳を通じて話すとき

NGOの世界でも国際交流の機会がだいぶ広がってきました。そういうとき、たとえば質疑応答などは基本的に通訳を通じて行なうことになります。平野もときどき通訳を引き受けることがあり、「こういう点にちょっと注意してもらえればもっと通訳しやすくなるのに」と感じることがしばしばあります。

李さん(国連・子どもの権利委員会委員)との交流で通訳などをしていてあらためてそのことを感じましたので、いくつか書いておきましょう。とくに、最近では同時通訳(講演者等の横でささやきながら訳す「ウィスパリング」も含む)が用いられることも増えています。平野は同時通訳をやるほどの能力はありませんのでよいのですが、横で見ていて大変そうだなあと感じることがありますので、覚えておいていただけると幸いです。

まず、これは通訳があるときに限った話ではありませんが、質問はなるべく短く、何をききたいのか端的にまとめるようにしてほしいということ。最初に質問を挙げて、その後に質問の理由を説明するのがベストです。延々と話をして最後に「これをどう思いますか」とまとめる人がよくいるのですが、何を言いたいのか最初のほうでわからないと、通訳するのはけっこうつらい。逐次通訳のときは、話が終わったあと適当にまとめてしまったりすることもありますが。

それから、これは同時通訳の場合の話ですが、ひとつの文を短くまとめること、文と文を続けて話すのではなく間をとることが大事です。とくに英語の場合には日本語とかなり言語構造が違いますので、ひとつの文が終わるまで訳しにくいことが多い。「……で、……ということがあり、……ですから、……」などと話すのではなく、「……です。……ということがあります。……です。したがって……」という感じで一文を短くし、通訳の様子も見ながら間をとって話をしていただいたほうがよいでしょう。

優秀なプロの通訳者ならあまり気にしないのかもしれませんが、いずれにせよ、こういうことに注意していただいたほうが言いたいことがきちんと伝わりやすくなります。

それから、当たり前のことですが通訳に完全を期待してはいけません。水準というものはありますが、翻訳ではないのですから話されたことを逐一正確に訳すことは不可能です。したがって、通訳が訳した日本語をそのままテープおこししてどこかに発表するのも基本的にはNGです。いったん原語でテープおこしして日本語訳するなり、せめて原語のテープをきいて確認するなりしてください。

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2004.03.10

■プレーパークがマンガに

記事の内容は「最近読んだ本」のほうに移しました。お手数ですがこちらを参照してください。

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■李委員との交流終了

国連・子どもの権利委員会の李亮喜委員を迎えての学術交流で、週末からあわただしい日々が続きました。やはり通訳とそれ以外の仕事(コーディネーター等)はあんまり兼ねるものではありません。土曜日は、翌朝早かったので久しぶりにカプセルホテルに泊まりましたが、サウナで疲れをとり、そのまま狭苦しいカプセルでぐっすり寝るというのもたまにはいいものです。

李さんにとってはなおさらお忙しい日々でしたが、月曜日、日本弁護士連合会・子どもの権利委員会でのお話のあと最後の企画としてご参加いただいた市民集会では、質疑応答の時間を1時間もとっていただき、中身の濃い交流ができました。公開の場ですのでどういうNGOが来るだろうかという心配もちょっとありましたが(この点は「フォーラム子どもの権利研究2004」でも同様で、「フォーラムから排除された」と言っている人たちもいるようですがもちろんそんなことはありません)、熱心で友好的・建設的なNGOのみなさんにお集まりいただき、交流のしめくくりとしては上々だったのではないかと思います。

今回の交流の記録はいずれそれぞれの形で記録にまとまると思いますので、ここでも随時お知らせします。

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■プレイパークがマンガに

李さんとの交流が終わった翌日、9日(火)には朝から「杉並に子どもの人権を守るしくみをつくる会」(しくみの会)の連続学習会で「子どもの学び・文化・遊び」について報告。もちろんプレーパークの話も少ししました。

で、帰ってきて同日発売のコミック誌『イブニング』(講談社)を見たら、やぶうちゆうき「警察署長」(TVドラマ「こちら本池上署」の原作)でプレーパークのことが取り上げられていてびっくり(第22話・遊び場)。たった数か月でプレーパークができてしまうところなどさすがはマンガだなあとも思わされますが(笑)、マンガで取り上げられることで認知度が高まっていくならよいことではないでしょうか。このマンガは以前にもダイバージョンの一環であるコミュニティ・サービスを取り上げていたことがあり、あまり深みはありませんがよく勉強していると思います。次はチャイルドラインでしょうか(笑)。もっとも、国連・子どもの権利委員会も警察があまりに大きな役割を担うことには懸念を表明しており(総括所見パラ47(c))、マンガを見てほのぼのするぐらいに留めておきたいものですが。

続きを読む "■プレイパークがマンガに"

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2004.03.07

■CRINMAIL554号

CRINMAIL554号より。過去の記事(Archives)および購読登録はこちらから。

ハイチ:食糧・医薬品の不足で子どもたちが危機に〔ニュース〕 ソース:Save the Children US
子ども兵士:武力紛争における女子の役割についての新たな報告書〔報告書〕 詳しくはInternational Centre for Human Rights and Democratic Developmentのニュースリリース参照。
教育:子どもたちが政治家に教育に対する権利について働きかけ〔ニュース〕 Global Campaing for Educationの今年のグローバル・アクション週間(4月19日~25日)は、「子どもたちによる子どもたちのための世界最大のロビイング」がテーマ。日本でも何か計画されているとは耳にしていますが。
中米:米州人権委員会、対青年ギャング戦争の検討へ〔ニュース〕 ソース:Casa Alianza
参加:子どもとの協議および調査への子ども参加〔報告書〕 国際セーブ・ザ・チルドレン連盟によるツールキットSo You Want to Consult with Children?So You Want to Involve Children in Research?
アフリカ:子どもの権利および福祉に関するアフリカ憲章〔報告書〕 同憲章の監視機構「子どもの権利・福祉専門家委員会」第3通常会期報告書

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2004.03.06

■CRINMAIL553号

CRINMAIL553号より。過去の記事(Archives)および購読登録はこちらから。

ジンバブエ:秘密キャンプで拷問・殺人の方法を教えられる若者たち〔ニュース〕 ソース:BBC 記事全文
英国:庇護・出入国管理法案で親子が分離されるおそれ〔ニュース〕 ソース:セーブ・ザ・チルドレン 記事全文
権利基盤型プログラミング:CRINが新しいウェブサイトを計画中〔ニュース〕
武力紛争:紛争防止における市民社会の役割〔提案募集〕 詳細はCanadian Peacebuilding Co-ordinating Committee(CPCC)のウェブサイトでCall for Proposals(ワードファイル)参照。
性的搾取:行方不明のまたは性的搾取を受けている子ども〔報告書〕 欧州連合の委託を受けたChild Focusと国際犯罪政策研究所(ゲント大学)が3部構成の報告書"Childscope"を発表。
子どもの人身取引:子どもの虐待・ネグレクトに関するアフリカ地域会議〔イベント〕 詳細はこちら
ブラジル:リオデジャネイロで組織的武装暴力に参加する子どもたち〔報告書〕 Children of the Drug Tradeと題する報告書(PDFファイル)。

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2004.03.05

■CRC総括所見のもうひとつの読み方

昨日(4日)は子どもの権利条約ネットワークによる子どもの権利条約入門セミナー2003最終回・ファシリテーター養成講座第1回を兼ねたシンポジウムで荒牧重人さんとともに報告をしてきました。その席で荒牧さんが提起していたことのいくつかを紹介しておきます。

ひとつは総括所見の全体的特徴についてですが、平野が挙げている6つの特徴に加え、以下の2点も特徴に挙げてよいのではないかということです。
*国連・子どもの権利委員会の前回の所見や一般的意見も含め、他の国際的文書に対する言及が前回よりも多くなっていること
*全体を通じて意識啓発・教育のための措置が強調されていること
 前者については、本来触れられるべき文書に言及されていない項目が少なからず見られますので、平野は挙げませんでした。後者については、いちいちパラグラフ番号は掲げませんが、確かにひとつの特徴として指摘してよいかもしれません。

もうひとつは委員会の勧告の分類方法ですが、要求される措置の種類別に、(1)立法措置、(2)政策上の措置、(3)制度・しくみづくり、(4)教育上の措置/意識啓発に分類できるのではないかということです。だれが何をすべきかというのがわかりやすくなりますので、確かに有効な読み方でしょう。そのうちマトリックス(映画のことではなく言葉の本来の意味の)でも作ろうかと思いますが、みなさんもこうした視点で読んでみてください。

なお、質疑応答の時間に、「権利基盤型アプローチ」というのは子どもを権利の主体としてとらえるという委員会の従来の方針を踏まえたもので、別に新しい点ではないのではないかという質問が出ました。そのうちメインサイトで権利基盤型アプローチの解説ページも作るつもりですが、これはセーブ・ザ・チルドレン国際連盟(とくにChild Rights Programming: How to Apply Rights-Based Approaches in Programming参照、PDF)やユニセフなどを中心とする議論を通じて国際的に発展しつつある概念で、その規範的・実践的意味合いは小さくありません。とりあえず、『子どもの権利研究』創刊号(2002年7月)所収の拙稿「国連子ども特別総会における子どもの権利の争点」参照。CRINでも、権利基盤型アプローチについての新しいウェブサイトとメールニュースを開始する予定です(CRINMAIL553号参照)。

国連・子どもの権利委員会の審査で日本の国別報告者を務めた李亮喜委員(韓国)も、今回の来日のためのペーパーのなかで、委員会の所見を貫く概念が「権利基盤型アプローチ」であることを指摘しています。3月8日の市民集会でもお話ししてくださいますので、ご参加ください。

追記(2004年5月5日):メインサイトに「国連・子どもの権利委員会第2回総括所見(勧告)の特徴」(8項目)を掲載しましたので、所見の特徴についてはそちらも参照してください。

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2004.03.04

■CRINMAIL552号

CRINMAIL552号より。

南部アフリカ:人道状況は依然として不安定〔ニュース〕 ソース:IRIN 記事全文
アラブ諸国:虐待された子どもの保護の改善が急務 ソース:UNWire
ナイジェリア:ポリオ予防接種の実施ボイコットは「許しがたい」〔ニュース〕 ソース:BBC Online 記事全文
先住民族の子ども:ますます脅かされる先住民族の子どもの生存〔報告書〕 ユニセフ・イノチェンティ研究センター「イノチェンティ・ダイジェスト」の新刊、Ensuring the Rights of Indigenous Children(PDFファイル)。「先住民族の子ども」に関する一般的討議勧告も参照。
子どもの権利:子どもの権利を前進させるための政府予算ニタリング〔報告書〕南アフリカ・民主主義研究所子ども予算部のJudith StreakによるNGO向けガイド、"Monitoring government budgets to advance child rights: a guide for NGOs"。
HIV/AIDS:HIV/AIDSへの対応に演劇をどう活用するか〔研修マニュアル〕ユネスコ・ダカール支局作成の研修マニュアル、Aids and Theatre(PDFファイル、フランス語)。

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2004.03.03

■CRC第2回審査関連原稿

国連・子どもの権利委員会の第2回日本報告審査についてあちこちに原稿を書いていますが、ぼちぼち掲載紙誌が発行され始めました。今回は審査および総括所見の全般的特徴について取り上げた報告を紹介。十数本も依頼があるとそれぞれ力点や書き方を変えて執筆するのに苦労しますが(笑)、酔狂なかたは見比べてみてください。

*「国連子どもの権利委員会勧告が日本に問うもの」
『世界』2004年4月号(3月8日発売)
「権利基盤型アプローチ」が何を意味するか、いまの日本の動向がいかにそれに逆行しているかについて、条約や委員会についてよく知らない一般の読者を意識しながら書きました。編集部のほうでつけてくれた副題は、「小泉首相や閣僚たちこそ、『子どもの権利』についての研修が必要だ。」というもの。

*「子どもの権利条約は実施されたか:国連子どもの権利委員会 日本の第2回報告書を審査」
東京・生活者ネットワーク『生活者通信』151号(2004年3月1日発行)
これもかなり一般の読者を意識して書いたもの。ちなみにこの号は、次世代育成支援対策推進法にもとづく「地域行動計画策定状況」の都内自治体調査結果が特集されていたり、委員会の勧告にも逆行する都「子どもの権利擁護委員会」廃止方針に執印真智子都議が異議を唱えていたりと、さながら子ども特集の趣です。次号からCRC総括所見のキーワード解説を6回連載する予定。

*「速報:国連・子どもの権利委員会、日本に対する第2回総括所見を採択:権利基盤型アプローチや総合的政策を強調」
子どもの人権連『いんふぉめーしょん 子どもの人権連』89号(2004年2月号)
総括所見の日本語訳を、その全体的評価とともに速報として掲載したものです。

*「国連・子どもの権利委員会 日本に対する第2回目の総括所見を採択:『権利基盤型アプローチ』を強調し、自治体子どもオンブズや子ども参加を勧告」
子どもの権利条約ネットワーク(NCRC)ニュースレター72号(2004年2月20日発行)
審査および総括所見の内容についてわりと網羅的に扱っています。

*「国連・子どもの権利委員会による第2回日本政府報告書審査を検証する:強調された『権利基盤型』アプローチ
ヒューライツ大阪『国際人権ひろば』54号(3月20日発行)
やはり総括所見の内容を網羅的に紹介し、所見の6つの特徴の基本は「権利基盤型アプローチ」にあることを解説しました。

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■「講演情報」更新

メインサイトの「講演情報」を更新しました。国連・子どもの権利委員会の李委員を迎えての市民集会(3月8日)の案内も掲載。

沖縄行きは4月10日(土)になりました。今回の審査についてだけではなく、「先住民族の子ども」に関する一般的討議についても話す予定です。

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2004.03.02

■CRINMAIL551号

もう552号まで届いてるんですが、とりあえずCRINMAIL551号より。

ウガンダ:多数の避難民が抵抗軍の虐殺をおそれてリラ・タウンのキャンプから逃亡〔ニュース〕 ソース:IRIN 記事全文
国連人権高等弁務官:国連事務総長、カナダのルイーズ・アーバー最高裁判事を人権高等弁務官に任命〔ニュース〕 ソース:Agence France Presse/UN ヒューライツ大阪「新しい国連人権高等弁務官にルイーズ・アーバー・カナダ最高裁判所判事の予定」など参照。
健康:中南米諸国の妊産婦死亡の多さは「恥辱」と米州保健機関事務総長〔ニュース〕 ソース:UNWire
子どもの権利:子どもの権利基盤型のモニタリングと評価〔情報募集〕
HIV/AIDS:国連によるマンガ版「HIV/AIDSと人権」解説書〔報告書〕 WHOのサイトからPDFファイルでダウンロード可能。
Right To Play International:政策マネージャー〔求人〕 
International Children's Trust:理事長求人

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