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2004.03.05

■CRC総括所見のもうひとつの読み方

昨日(4日)は子どもの権利条約ネットワークによる子どもの権利条約入門セミナー2003最終回・ファシリテーター養成講座第1回を兼ねたシンポジウムで荒牧重人さんとともに報告をしてきました。その席で荒牧さんが提起していたことのいくつかを紹介しておきます。

ひとつは総括所見の全体的特徴についてですが、平野が挙げている6つの特徴に加え、以下の2点も特徴に挙げてよいのではないかということです。
*国連・子どもの権利委員会の前回の所見や一般的意見も含め、他の国際的文書に対する言及が前回よりも多くなっていること
*全体を通じて意識啓発・教育のための措置が強調されていること
 前者については、本来触れられるべき文書に言及されていない項目が少なからず見られますので、平野は挙げませんでした。後者については、いちいちパラグラフ番号は掲げませんが、確かにひとつの特徴として指摘してよいかもしれません。

もうひとつは委員会の勧告の分類方法ですが、要求される措置の種類別に、(1)立法措置、(2)政策上の措置、(3)制度・しくみづくり、(4)教育上の措置/意識啓発に分類できるのではないかということです。だれが何をすべきかというのがわかりやすくなりますので、確かに有効な読み方でしょう。そのうちマトリックス(映画のことではなく言葉の本来の意味の)でも作ろうかと思いますが、みなさんもこうした視点で読んでみてください。

なお、質疑応答の時間に、「権利基盤型アプローチ」というのは子どもを権利の主体としてとらえるという委員会の従来の方針を踏まえたもので、別に新しい点ではないのではないかという質問が出ました。そのうちメインサイトで権利基盤型アプローチの解説ページも作るつもりですが、これはセーブ・ザ・チルドレン国際連盟(とくにChild Rights Programming: How to Apply Rights-Based Approaches in Programming参照、PDF)やユニセフなどを中心とする議論を通じて国際的に発展しつつある概念で、その規範的・実践的意味合いは小さくありません。とりあえず、『子どもの権利研究』創刊号(2002年7月)所収の拙稿「国連子ども特別総会における子どもの権利の争点」参照。CRINでも、権利基盤型アプローチについての新しいウェブサイトとメールニュースを開始する予定です(CRINMAIL553号参照)。

国連・子どもの権利委員会の審査で日本の国別報告者を務めた李亮喜委員(韓国)も、今回の来日のためのペーパーのなかで、委員会の所見を貫く概念が「権利基盤型アプローチ」であることを指摘しています。3月8日の市民集会でもお話ししてくださいますので、ご参加ください。

追記(2004年5月5日):メインサイトに「国連・子どもの権利委員会第2回総括所見(勧告)の特徴」(8項目)を掲載しましたので、所見の特徴についてはそちらも参照してください。

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