« ■イラク:湾岸戦争の子どもたち | トップページ | ■CRINMAIL569号 »

2004.04.28

■本音を吐露した「反日分子」発言

自民党の柏村武昭・参院議員(広島選挙区)が、26日の参院決算委員会で、イラクで人質にされた日本人について「自衛隊のイラク派遣に公然と反対していた人もいるらしい。もし仮にそうだとしたら、同じ日本国民であってもそんな反政府、反日的分子のために数十億円もの血税を用いることは強烈な違和感、不快感を持たざるを得ない」と述べたそうです。発言撤回の意思もないとのこと(共同通信4月26日配信記事「日本人人質『反日的分子』 参院決算委で柏村武昭議員」)。

同議員の公式ホームページでは、「柏村武昭の信条」として「情報発信と情報の公開-ジャーナリストの感性-」とか「NPO活動の育成-善意の心を生かそう-」が挙げられています。どうやらこの人にとって、「ジャーナリストの感性」というのは大本営発表を疑いもせずに引き写すこと、「NPO」というのはいわゆるGONGO(ゴンゴ、Government-Owned NGO=政府所有の非政府組織)のことを指しているようです。

もっとも、人質にされた人々をバッシングする政府関係者の本音を吐露してくれたという意味では、「情報の公開」を実践してくれたのかもしれません。思想・良心の自由(憲法第19条)などどうでもいいと思っている人が国会議員まで務められる国として、またまた世界に恥をさらしてくれました。「中国なんかはろくな裁判もないし、刑務所の中にも外にも、人権なんてものは恐らくないんでしょ」とも述べたそうですが(こちらは発言の訂正を申立てたとのこと)、よその国のことを言ってる場合ですか?

ちなみに「自己責任」論については「えにしだが行く」というウェブサイトで的確な批判が行なわれています。とくに「自己責任論は醜悪である」や「情報のねじ曲げを許さないこと」など参照。NGO活動家の見解としててらまこさんのウェブログ「NGO活動は『自己責任』?」も参照。

|

« ■イラク:湾岸戦争の子どもたち | トップページ | ■CRINMAIL569号 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■本音を吐露した「反日分子」発言:

» 柏村発言へのコメント [Political Criminology]
柏村武昭氏の発言への意見(本人への送付) [続きを読む]

受信: 2004.04.28 01:52

« ■イラク:湾岸戦争の子どもたち | トップページ | ■CRINMAIL569号 »