« ■なんで女性ばかり「TRY」? | トップページ | ■尾崎豊を「卒業」して »

2004.05.02

■グローバル化と人間の安全保障

*勝俣誠(編著)『グローバル化と人間の安全保障:行動する市民社会』日本経済評論社・2001年

恐怖からの自由と欠乏からの自由を中核とする「人間の安全保障」概念と、その実践にあたってNGOをはじめとする市民社会が果たすべき役割を批判的に検証した本。

とくに市民社会の役割については、国境なき医師団等のフランスのNGOを手厳しく批判する重光哲明「フランス緊急医療NGOにみる人道的介入」(第1部第3章)、パートナーシップの美名のもとで進むNGOの非政治化やグローバル化した市民活動が地域の現実から乖離する危険性に警鐘を鳴らす佐久間智子「経済のグローバル化と水・食料」(第2部第4章)、南アジアのNGOの現状を紹介した大橋正明「開発NGOと人間の安全保障」(第3部第2章)など、考えさせられる論考が揃っています。

他方、欠乏からの自由(第2部)との関連では比較的幅広い問題が取り上げられているのに対し、恐怖からの自由(第1部)についてはもっぱら紛争時の人道的援助・介入および紛争後の復興プロセスに焦点が当てられており、少々物足りません。その意味では、上の『平和・人権・NGO』とあわせて読むとおたがいに補完しあってちょうどよいでしょう。人権との関連では、そもそも国際人権法はグローバル化を志向していたのであって、1990年代になって進められている「グローバル化」は国際的意思決定の非民主化を促進しているという上村英明「グローバル化時代と国際人権法の歴史的役割」(第3部第3章)の指摘も重要です。

|

« ■なんで女性ばかり「TRY」? | トップページ | ■尾崎豊を「卒業」して »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■グローバル化と人間の安全保障:

« ■なんで女性ばかり「TRY」? | トップページ | ■尾崎豊を「卒業」して »