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2004.05.20

■CRC選択議定書等批准承認

ところで子どもの権利条約の2つの選択議定書は、衆院本会議で3月26日と30日に、参院本会議でいずれも4月21日にそれぞれ批准が承認されました。いずれも全会一致です。すでに批准書を国連事務総長に寄託したのかどうかは確認していませんが、両議定書の締約国数は5月17日の時点で72か国でしたので、子どもの権利条約本体の批准が158番目だったのに比べるとあまり出遅れずにすみましたね。

*衆院ウェブサイト議案審査経過概要:児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書の締結について承認を求めるの件(条約第13号)
*衆院ウェブサイト議案審査経過概要:武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書の締結について承認を求めるの件(条約第14号)

これで、2年後の2006年5〜6月には両選択議定書の実施状況に関する第1回報告書を提出しなければならないことになります。子どもの権利条約本体の第3回報告書の提出期限も2006年5月ですので、それぞれ調整を図ることができてちょうどよかったと言うべきでしょうか。

選択議定書に関する報告書の審査は、武力紛争については紛争(後)状況にある国を除き原則として書面審査、性的搾取については1会合(3時間)を割いて通常審査というのが現在の委員会の方針です。ただ日本の場合は報告書の提出時期が重なりますので、本体の報告書とあわせて審査するということになるでしょう。ニュージーランドの第2回報告書も、武力紛争選択議定書の第1回報告書とあわせて審査されました(第34会期)。武力紛争のほうに1時間も割いたのは、ニュージーランドの状況を考えればちょっと長すぎでしたが。

ちなみにサイバー犯罪条約のほうも、衆院本会議で3月30日、参院本会議で4月21日に批准が承認されています。

*衆院ウェブサイト議案審査経過概要:サイバー犯罪に関する条約の締結について承認を求めるの件(条約第4号)

衆院では共産党と社民党が反対討論を、民主党が人権に配慮するよう求める旨の要望を行なったうえで賛成の討論を行ないました。平野としては、国連・自由権規約の選択議定書(個人通報手続)や欧州評議会「個人データの自動的処理に関わる個人の保護のための条約」(1981年)を批准したうえであらためてサイバー犯罪条約の批准を検討すべきだと求めたのですが。留保の不明確さも解消されていないようですし、今後の運用がいささか心配です(メインサイト「民主党『児童買春・児童ポルノ法改正に関する勉強会』報告レジュメ」参照)。

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» ■選択議定書の批准先送り? [ARC 平野裕二のサイト]
「CRC選択議定書等批准承認」で子どもの権利条約の2つの選択議定書の批准にあまり [続きを読む]

受信: 2004.06.16 09:49

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