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2004.06.29

■EU基本権憲章

*Kim Feus (ed), The EU Charter of Fundamental Rights: Text and commentaries, Kogan Page, London, 2000

2000年9月に採択されたEU基本権憲章の最終草案にもとづき、その位置づけや内容についてさまざまな立場からの見解を掲載した本。同憲章は2000年12月に採択され、EU憲法(2004年6月)の第2部に編入されたことによりその法的拘束力の問題にも決着がついたため、制定過程での議論に関心があるかたのみどうぞ。ただしAmazon.co.jpでは扱っていないようです。

憲章の内容については、とりあえず福田静夫氏(日本福祉大学)による日本語訳と解説「『EU基本権憲章』の制定経過とその特徴」を参照。その他、関連の洋書もいくつか出ているようです。

憲章は、基本的にはすでに国際人権法その他の国際法で確立されている諸権利を再確認した内容ですが、優生保護的慣行(とくに人の選別)やクローニングの禁止(第3条2項)、個人データの保護(第8条)、遺伝的特徴や性的指向による差別の明示的禁止(第21条)などが定められたこと、労働者の権利が詳細に定められたこと(第4部)などは目新しい点でしょうか。子どもについては、独立条文(第24条)で保護およびケアに対する権利、子どもの意見の尊重の原則、子どもの最善の利益の原則、両親との面接交渉権が定められているほか、児童労働の禁止および働く若者の保護(第32条)、子の出産後・養子縁組後の育児休暇権利を含む家族生活と職業生活の両立の保障(第33条)などが定められています。

これらの規定は当然EU加盟国の立法動向に影響を与えるはずですので、ヨーロッパ人権条約とともに関心を払っておく必要がありそうです。

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