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2004.06.11

■市民でない人々の権利

昨日(10日)は反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)が主催した会合で、「市民でない人々(non-citizens)の権利」に関する国連人権小委員会・元特別報告者、デビッド・ワイズブロット氏(ミネソタ大学ロースクール教授)の通訳を務めてきました。特別報告者としての氏の活動についてはとりあえず市民でない人々の権利に関する最終報告書を見てください(E/CN.4/Sub.2/2003/23)。

NGOとの意見交換会ということもあってもっぱら話題になったのは、更新日記「法務省によるサイバー差別」でも取り上げた「不法滞在外国人」メール通報制度。人種差別撤廃条約違反であるというNGOの抗議にも関わらず、あいかわらず通報窓口は設けられたままです。

もうひとつの焦点は「テロとの闘い」という名目で市民でない人々の権利がますます圧迫されるようになっている現実。ワイズブロット氏も自国であるアメリカの状況に懸念を表明していましたし、最終報告書のなかでも、テロ対策が差別や人権侵害につながらないようにすることを強調しています。

また、これは昨日は話題になりませんでしたが、通訳に備えて資料を読んでいると、市民でない人々の収容(身柄拘束)は世界的にまだまだ大きな問題であることがわかりました。移住者の人権に関する特別報告者は、2002年に国連人権委員会に提出した報告書(E/CN.4/2003/85)で、非正規滞在外国人を含む移住者の自由剥奪にとくに焦点を当てています。更新日記「CRINMAIL575号」でも紹介したように、最近、オーストラリア人権・機会均等委員会は入管施設への子どもの収容に強い懸念を示しました。

子どもはもとより、本来は成人であっても身柄拘束は最後の手段でなければなりません(平野の講演レジュメ「子どもの権利条約と外国人の子どもの権利:子どもの収容問題を中心として」も参照)。この点、日本の入管行政の対応にはまだまだ問題が山積しています(たとえば入管問題調査会のウェブサイト参照)。一刻も早い改善を望みたいものです。

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