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2004.06.08

■CRC総括所見への反論

国連・子どもの権利委員会第36会期の余韻が消えないうちに、委員会関連のちょっとした情報をひとつ。モロッコ政府が第2回定期報告書に関する委員会の総括所見(CRC/C/15/Add.211)について反論のコメントを出し、それが国連文書(CRC/C/15/RESP/Add.211)として配布されています。

問題のパラグラフは「武力紛争の影響を受ける子どもたち」に関するもの(パラ56・57)で、西サハラに住む子どもたちの状況について懸念を表明し、その全面的保護およびケアを確保するよう勧告したもの。これに対してモロッコ政府は同地域における教育・保健の状況を示す統計を並べ、同地域における社会権の充足状況は全国平均を上回っていると胸を張っています。

委員会が問題にしたのは単に教育・保健関連の権利だけではなかったはずですが、それはともかく、こうした反論が国連文書として公にされるのは、子どもの権利委員会との関連では珍しいことです。条約上、委員会が行なった「提案および一般的勧告」は「もしあれば締約国からのコメントとともに」国連総会に報告されることになっており(第45条)、締約国は総括所見についてのコメントを一般配布用の国連文書にすることができます。しかしこれまでは、note verbaleという非公式的な外交覚書で委員会の勧告の実施状況の中間報告等が行なわれることはあっても、このような形で締約国が反論することはあまりなかったようです。少なくとも国連人権高等弁務官事務所のデータベースにはこれ以外の例は見当たりません。

日本政府も、人種差別撤廃委員会と社会権規約委員会の総括所見に対してはそれぞれコメントを提出しています(メインサイト「日本の報告書審査:その他の人権条約機関」参照)。子どもの権利委員会に対して同様の対応をとる可能性はあまりないと思いますが、次回も委員会の勧告にほとんど触れない報告書を提出するようなら、「ここは納得いかない」という点も含めて委員会にコメントを出しておいてほしいという気もしますね。

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