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2004.07.20

■被害者・加害者調停

*Marks S Umbreit, Victim Meets Offender: The Impact of Restorative Justice and Mediation, Criminal Justice Press, New York, 1994

修復的司法の代表的論者のひとりである著者が、アメリカの4か所で行なわれている被害者・加害者調停プログラムの効果を調査したもの。被害者・加害者双方が高い割合(8~9割)で満足を感じているという知見を含め、おおむね肯定的な結果が出ています。被害者の最大の関心事項として「加害者を助けること」が筆頭に挙がっていたのには、意外さと同時に感動すら覚えました(2位は「被害者が失ったものを回復すること」、3位は「加害者から謝罪を受けること」)。

他方、「調停をそれほど好ましくとらえていないという、ごく少数派の声に耳を傾けることは決定的に重要である」という指摘(91頁)も真剣に受けとめなければいけません。著者は、被害者・加害者調停プログラムにつきまといやすい代表的問題点として「ビジョンを見失うこと」「調停前のセッションを行なわなくなること」「扱いやすい事案にばかり対応すること」「社会的統制の網が拡大・強化されること」の4つを挙げていますが、それ以外にも考えなければならない論点はたくさんあります。

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