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2004.07.19

■犯罪・恥の感覚・再統合

*John Braithwaite, Crime, shame and reintegration, Cambridge University Press, 1989

「修復的司法」という概念は用いていないものの、そこに通底する基本的考え方を「恥の感覚」というキーワードで展開した古典的著作。恥の感覚を負わせること(shaming)が「危険なゲーム」(12頁)であることは重々承知しつつ、そのプロセスが再統合的に行なわれるのであればフォーマルな刑罰よりも犯罪の一般防止・特別防止に効果を発揮すると説きます。

そこで前提にされるのは、あまりに個人主義的ではないコミュタリアン(共同体主義)的社会。しかしそれは個人の自由と両立しない社会ではなく、だれが見ても犯罪と思われる行為は処罰しなければならないといった中核的価値は堅持しつつ、それ以外の面では自由や多様性を容認・奨励する社会であるとされます。

で、再統合的シェイミングが効果を発揮している例としてあちこちで引き合いに出されているのが日本とスイス。もっとも、企業犯罪や「やくざ」の例に見られるように、共同体主義は「諸刃の剣」(135頁)でもあります。さらに、著者自身、「日本の犯罪統制の成果はおおいに賞賛するものの、私は日本に住みたいとは思わないだろう。同じでいなければならないというインフォーマルな圧力を抑圧的に感じるだろうからだ」と述べているように(158頁)、犯罪発生件数が少なければ住みやすい社会だというわけではありません。こうした危うさを念頭に置きつつ、著者の問題提起を受けとめていく必要がありそうです。

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