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2004.07.22

■フジモリ元大統領こそ引渡しを

で書いたとおりジェンキンス氏の身柄をアメリカに引渡す義務はないと思いますが、日本にはもうひとり身柄引渡し問題を抱えている人がいます。そう、ペルーの元大統領、アルベルト・フジモリ氏です。

フジモリ氏がペルーで大規模な人権侵害に携わっていたことについては、ペルーの人権問題とフジモリ元大統領の責任を考える会のウェブサイトにさまざまな資料が掲載されています。つい最近も、フランスの月刊誌『ル・モンド・ディプロマティーク』で、先住民族女性30万人以上に不妊手術を強制していたことが報道されました(JANJAN7月24日付「フジモリ政権下、不妊手術を強制されたペルー先住民」参照;なお、古屋哲「フジモリ政権下の不妊手術キャンペーン」はかなり早くからこの問題を指摘しています)。ジェノサイド(集団殺害犯罪)には、「国民的、人種的、民族的または宗教的集団を全部または一部破壊する意図をもって行なわれた」出生妨害措置も含まれますので(ジェノサイド条約第2条)、まぎれもなく人道に対する罪だと言えます。

ペルー政府からは、2003年7月31日に身柄引渡し請求が行なわれました。インターポール(国際刑事警察機構)もフジモリ氏の国際逮捕手配書を発行しています。日本政府はフジモリ氏が日本国籍を有していると認定し、逃亡犯罪人引渡法で自国民不引渡しの原則が定められていることから引渡しに応じない構えのようですが、あまりに形式的かつ無理やりな対応です。引渡しをしないならしないで国内できちんと裁く必要がありますが、それは実質的に不可能でしょう。

身柄引渡し問題に関心が高まったのを契機に、フジモリ氏の身柄引渡しについてもあらためて検討・実行してもらいたいものです。「テロリスト」をかくまった国の爆撃は支持・支援する一方で大規模人権侵害者はかくまうというのでは、日本政府に正義を語る資格はありません。

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