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2004.09.02

■女性差別撤廃条約とNGO

*日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(編)『女性差別撤廃条約とNGO:「日本レポート審議」を活かすネットワーク』明石書店・2003年

2003年7月に実施された日本の第4回・第5回報告書審査に向けたNGOネットワークの活動と審査の記録。人権NGOの活動も報告審査の回を重ねるごとに進歩しているものだと実感します。「今回は女性差別撤廃委員会の審議を活用したが、……他の国際人権条約の審議も、想像以上に活用できることはあまり知られていない。この機会に他の条約や最終所見をひも解くことを勧めたい。国際人権条約は、人々に活用されてこそ、その意義と力を発揮し、息を吹き返すからだ」という原由利子さんのまとめ(188頁)に同感。

審査でどのような問題が取り上げられたかについては委員会の最終コメントや本書を見ていただければよいのですが、「政府は社会的コンセンサスに重きを置きすぎている」(115頁)など、世論を言い訳にして条約実施を後回しにする姿勢に今回も多くの批判が出されたことだけ記しておきましょう。

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2004.09.01

■女性差別撤廃条約Q&A

*米田眞澄・堀口悦子(編著)『Q&Aで学ぶ女性差別撤廃条約と選択議定書』明石書店・2002年

女性差別撤廃条約に加え、個人通報制度と調査制度を導入するために1999年に採択された選択議定書の入門書。予備知識がほとんどない人でも十分読めます。日本で国際人権法がなかなか浸透しない大きな原因のひとつに、個人通報制度をいっさい受託せずに個別事案についての国際的検証を回避していることが挙げられると思うので、本書を通じて選択議定書の批准運動が盛り上がるのが期待されるところです。とくに女性差別撤廃条約の選択議定書は、13条で、「条約及びこの議定書を公表し、及び広く周知させ、並びに特に当該締約国が関係する事案についての委員会の見解及び勧告に関する情報へのアクセスを容易にする」ことを義務づけられているのが画期的ですね。

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