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2005.02.07

■私たちの国際経済

*東京経済大学国際経済グループ(著)『私たちの国際経済:見つめよう、考えよう、世界のこと』有斐閣・2003年

地球環境問題(4章)、人口・食糧問題(5章)、貧困・開発問題(6章)などの社会的課題が国際経済の文脈のなかでわかりやすく解説されています。「はしがき」でも想定読者は明示されていないのですが、どうやら大学の新入生を主な読者対象に想定して書かれた本らしく、入門書としては最適の部類に入るのでは。

序章「世界経済を見る眼」は、「今日の変革課題は、明治維新と戦後改革の延長線上にある『第三の開国』とも言えるほどに重要な意味を持っています」(15頁)として、次のように問題提起しています。

「日本人はこの辺で成長至上主義の発想を転換してはどうか、低成長でも国民が公平で豊かな暮らしができるなら、あえて高成長にこだわる必要はないのではないか、と考え直す必要があります。そのような社会と経済の仕組みを作り上げることができれば、自然資源の有限性や地球環境問題を考え合わせると、日本だけでなく、国際的にも先進国の新しい発展モデルになりえます」(16頁)

世界の加工センター・金融センター・消費センターとなりつつある東アジア(ASEAN10か国+日本・韓国・中国)の経済発展と結合し、それを活用することで日本の再建と再生が可能になるという認識(17頁)は、十分に検討に値するのではないでしょうか。

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