■奈良県「子どもを犯罪の被害から守る条例(案)」
奈良県警が「(仮称)子どもを犯罪の被害から守る条例(案)」についての意見募集を行ないます(5月2日~20日)。昨年11月の「女子児童被害にかかる誘拐・殺人並びに死体遺棄事件」の教訓を踏まえ、「すべての子どもが犯罪に巻き込まれることのない安全で安心なまちづくりを進めることが求められて」いるからだそうです。
昨年の事件をきっかけに、ご遺族の苦しみはもとより、住民の不安も相当に高まっているであろうことは理解しているつもりです。しかしだからこそ、子どもが安心して暮らせるまちをどうすれば築いていけるのか、幅広い視点から冷静に議論する必要があります。アリバイ作りのようにあわてて条例を制定するのは、子どものことを本当に考えているのではなく、おとなが自己満足を求めているだけです。条例案を読むかぎり、子どもの安全・安心をまともに考えているとはとても思えません。
さしあたり、いくつかコメントしておきます。提出期限の20日までにはもう少し時間的余裕ができるはずですし、県民でなくても意見は出せるようなので、必要に応じて追加・修正して提出するつもりです。
【追記(7月23日):残念ながら条例案は6月30日にほぼ原案通りで可決され、7月1日からさっそく施行されました(第3章の犯罪化規定については10月1日)。奈良県警のウェブサイトに条例の概要および全文(PDF)が掲載されています。「パブリックコメントの実施結果について」を見ると、以下のコメントにもある程度は配慮してくれたようですが、その実効性や適正な運用については十分に検証していく必要があると思っています。】
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