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2006.06.18

■子どもの権利と体罰

国連・子どもの権利委員会の一般的意見8号(体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰から保護される子どもの権利)の日本語訳掲載。「子どもに対する国家の暴力」(2000年)と「家庭および学校における子どもへの暴力」(2001年)に関する一般的討議の勧告を踏まえつつ、「子どもに対する暴力」についての国連事務総長研究が今年の秋にも完了するのをにらんで採択されたもの。委員会としては今後、子どもに対する暴力についての一連の一般的意見を採択していく意向のようです。

親によるものも含む体罰を全面的に禁止する必要性は、委員会がこれまでも繰り返し訴えてきたことで、今回の一般的意見にそれほどの新味はありません。ただ、委員会としては珍しく地域人権機構の見解も踏まえながら、これまで述べてきたことを体系的にまとめたという点では意味があるでしょう。

また、体罰を防止するために親や専門家のエンパワーメントが必要であるという視点が、今回の一般的意見には十分に反映されていないのも気になるところです。「子どもに対する国家の暴力」についての勧告ではパラ32で、「家庭および学校における子どもへの暴力」についての勧告ではパラ38で、施設職員・教職員の地位向上、施設・学校の環境改善などが打ち出されていました。親のエンパワーメントという視点は、「乳幼児期における子どもの権利の実施」に関する一般的意見7号のパラ20や30に反映されています。

なお、今回の一般的意見の注で推奨されているユネスコの文献(Eliminating corporal punishment: The way forward to constructive child discipline)については、こちらでも簡単に内容を紹介していますのでご参照ください。

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コメント

いつも最先端のお話、有難うございます。
(不勉強で申し訳ありません。以下、コメント、参照ポインタ頂ければ幸いです。)

平野さん記述にありました、
『国連事務総長研究が今年の秋にも完了する』について、どの様な位置付けとなる文章なのでしょうか。
(またテーマ的には「子どもに対する暴力」に絞られているのでしょうか?)
よろしくお願い致します。

投稿: い | 2006.06.29 01:05

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国連・子どもの権利委員会の要請をきっかけとして「子どもに対する暴力」についての国 [続きを読む]

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