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2006.10.08

■フィリピンの少女ピア

*中島早苗・野川未央(著)『フィリピンの少女ピア:性虐待をのりこえた軌跡』大月書店・2006年

8歳からセックスワーカーになった少女がフィリピンのNGO「プレダ基金」に出会って立ち直り、子どもの権利のためのスポークスパーソンとして活動するようになるまでの軌跡を描いた本。著者のお2人は、平野が今年度(2006年度)から顧問を務め始めたフリー・ザ・チルドレン・ジャパンの事務局スタッフです。性的搾取のひとつの現実を知るというだけではなく、被害を受けた子どもの支援のあり方を考えるうえでも参考になる本。本書の主人公、ピア・コーベラさんは10月後半から11月にかけて来日し、東京・大阪・九州(北九州・熊本)で講演する予定です(講演日程)。

なお、本書には平野も「『子どもの人権』の視点から始めよう」という解説をよせています。もともとは、ハンフリー・ボガート主演映画『俺たちは天使じゃない』をもじって「子どもたちは天使じゃない」というタイトルをつけ、なかなか洒落ていると勝手に悦に入っていたのですが、プレダ基金が「エンジェル・アニー・キャンペーン」と題した子どもの権利キャンペーンを進めていることもあって、タイトルにつけるのはやめたもの。しかし内容は変わっておらず、子どもを「天使」扱いすることがはたして子どもの人権の視点と両立するのかという疑問を提起したものです。本文とあわせてご一読ください。

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