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2006.10.21

■子どもの権利委員会:障害児の権利

国連・子どもの権利委員会の一般的意見9号(障害のある子どもの権利)の日本語訳を掲載。10月17日に国連人権高等弁務官ウェブサイト・子どもの権利委員会コーナーで公開されましたので、障害児・者をとりまく厳しい情勢を踏まえて急ぎ翻訳しました。近々国連総会での採択が予想されている障害者権利条約の実施にも影響を及ぼすはずの文書です。

一見して印象的なのは、その総合的・包括的な性格でしょうか。条約第2条(差別の禁止)と第23条(障害児の権利)を中心的規定と位置づけつつ、各分野について(多少のムラはあるにせよ)詳細な見解が明らかにされています。障害児限定の活動から生ずる障害児の孤立感(パラ33)、統合的環境における自尊感情の強化の必要性(パラ64)など、障害児の心理的ウェルビーイングへの目配りが見られるのも興味深いところです。

障害者自立支援法との関連でも、「サービス供給に関する厳格な指針にしたがって障害児に十分な資金が配分されているかどうかを監督する最終的責任が締約国にあることは、忘れられるべきではない。障害児に対して配分される資源は、障害児のすべてのニーズを網羅するのに十分であるべき」である(パラ20)という予算配分に関わる指摘、また子どもの最善の利益は「他のあらゆる考慮事項よりも、またたとえば予算を配分するときのようなあらゆる状況下で、重視されるべきである」(パラ30)という指摘をはじめ、十分に検討されるべき内容が含まれています。

他方、「すべての障害児が包含されることを保障する適切な定義を確立する」ことを締約国に対して要求している(パラ19)にも関わらず、委員会としては障害者権利条約草案の定義を引き写しているだけ(パラ7)なのは物足りません。また、出生前診断や選択的中絶の問題については、障害児に関する一般的討議の勧告(1997年)では触れられているにも関わらず、今回の一般的意見では言及されませんでした。

いずれにせよ、今回の一般的意見を踏まえて障害児への対応のあり方をあらためて検討することが求められます。なお、「一般的意見」の性質については一般的意見のインデックスページを参照してください。

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