■「心のノート」特集
斎藤次郎さんが編集長で平野もときどき寄稿する『子どもプラス』16号(2004年2月刊)が、「『心のノート』なんていらない!」というなかなか読み応えのある特集を組んでいます。
いつものように勉強になるのが、幅広い視野に立った斎藤貴男氏のインタビュー。日本の一部層がやたらと戦争をしたがっているのは海外利権の確保(今度は天然資源ではなく日本の経済進出にともなう生産拠点)が目的であるという指摘にはなるほどと思いましたし、「生長の家」創始者が戦時中に「心がしっかりしていれば銃弾なんかとんでこない」と講演したという話は最近の心理主義の危うさを端的に示してくれています。もっとも、ある開発援助NGOの創立記念シンポジウムで「心がきれいな人が井戸を掘ればきれいな水が出る」という発言を聞いたこともありますので(まだ若かったのですぐに席を立って帰りました)、心理主義の危うさにとらわれているのは保守反動勢力ばかりではありませんが。
芹沢俊介さんと斎藤次郎さんの対談では、『心のノート』の文体に焦点を当てながらその薄気味悪さが語られ、北村小夜さんのインタビューでは戦前の「修身」との符合が浮き彫りにされています。
その他、アーサー・ビナード氏(詩人)による『心のノート』への落書きも、「道徳」の押しつけを無化するものとして子どもたちにおおいに奨励してよいのでは。現職教諭の座談会でも、子どものしたたかさを信じて『心のノート』を逆利用しようという発想がところどころで語られています。平野も、『心のノート』というのはメディア・リテラシー教育のための教材としてはうってつけだと思いますので、『「心のノート」学習(活用)ハンドブック』でも作れないかなあと考えているところです。
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