■教育評論8月号
日教組機関誌『教育評論』2004年8月号の特集は「子どもの権利条約――批准10年目の検証」。拙稿「『権利基盤型アプローチ』にもとづく総合的な政策づくり」で「全人的存在としての子ども」(a whole child)アプローチをとるアイルランドとニュージーランドの政策を取り上げたほか(関連資料はメインサイト「子どもの権利に関する総合的政策」参照)、荒牧重人「子どもの権利条約を教育に活かそう」、和田真也「条約の理念を活かした実践の課題」、喜多明人「子どもの意見表明・参加の権利をめぐる現代的課題」といった論考が掲載されています。喜多さんの論考になぜか12年前の批准促進集会の写真が載っており、そこに若かりしころの平野の姿も映っていて苦笑しました(笑)。
『教育評論』のページがあればリンクを貼ろうと思って探したのですが、見当たらなかったので日教組に直接お問合せください。日教組のウェブサイトは求める情報が非常に探しにくく、サイト内検索も役に立たず、検索で上位に表示されるようにするための工夫もまったくされていないようなので、なんとかすべきですね。
ところで喜多さんは、子どもが人と関わりたがらないようになり、全体として子どもの能動性や参加意欲が減退してきたことを指摘しています。問題意識はわかりますが、平野もまた、喜多さんが冒頭で引用した早稲田大学附属高校生と同じように「できれば一人でいたい」人間のひとり。それでも活動家として社会と関わってきてまもなく20年になるわけで、要はこれまでとは異なる、既成の集団を基盤としたものではない動機づけの機会や参加の単位・回路が必要とされているということではないでしょうか。
喜多さんは最近『現代学校改革と子どもの参加の権利:子ども参加型学校共同体の確立をめざして』(学文社・2004年)という本も出されたようで、そのうち読んでみますが、学校「共同体」を中心的基盤とした対応ではもはや子どもたちの参加意欲を引き出すことはできないのでは、と思います。むしろ学校は内藤朝雄が言う「きずなユニット」を形成するひとつの機会として位置づけるほうがよいでしょう(最近読んだ本「いじめの社会理論」参照)。
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